地震による原子力施設への影響について(7時00分現在) (第11報)
[2011/03/12 07:57更新]
原子力安全・保安院から、3月11日14時46分頃、宮城県北部で発生した地震による原子力施設への影響についてお知らせします。
○東北電力(株)女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)
(1)運転状況
1号機(52万4千kW)(自動停止)
2号機(82万5千kW)(自動停止)
3号機(82万5千kW)(自動停止)
(2)モニタリングポスト※等の指示値
モニタリングポスト指示値の変化: 無
主排気筒モニタ指示値の変化: 無
(3)その他異常に関する報告
17:15にCO2消火開始。
○東京電力(株)福島第一原子力発電所(福島県双葉郡大熊町及び双葉町)
(1)運転状況
1号機(46万kW)(自動停止)
2号機(78万4千kW)(自動停止)
3号機(78万4千kW)(自動停止)
4号機(78万4千kW)(定検により停止中)
5号機(78万4千kW)(定検により停止中)
6号機(110万kW)(定検により停止中)
(2)モニタリングポスト等の指示値
・モニタリングポスト指示値の変化:無
・主排気筒モニタ指示値の変化:無
(3)その他異常に関する報告
・原子力災害対策特別措置法第10条通報(福島第一原子力発電所3号機)
・同第15条通報(福島第一原子力発電所1、2号機)
・福島第一発電所注水機能回復のための電源確保の状況
電源車からのケーブルのつなぎ込み作業中。 (12日4:00現在)
・1号機の格納容器内圧が上昇しており、設計値400kPaのところ、840kPa程度まで上昇している可能性がある。
・モニタリングカーにより周辺監視区域境界近傍の放射性物質測定を行ったところ、12日4:00現在と比較して数値の上昇を確認※。(12日5:20現在)
MP6(正門付近)0.07μSV/h→0.59μSV/h(4:00→4:30)
MP8(正門付近)0.07μSV/h→0.38μSV/h(4:00→4:35)
※)数値のレベルは、一般公衆の年間線量限度である1mSvに達するのに約70日かかる程度。
○東京電力(株)福島第二原子力発電所(福島県双葉郡楢葉町及び富岡町)
(1)運転状況
1号機(110万kW)(自動停止)
2号機(110万kW)(自動停止)
3号機(110万kW)(自動停止)
4号機(110万kW)(自動停止)
(2)モニタリングポスト等の指示値
モニタリングポスト指示値の変化: 無
主排気筒モニタ指示値の変化: 無
(3)その他異常に関する報告
火災の報告等なし。
1、2、4号機にて原子力災害対策特別措置法第10条通報
1、2、4号機にて原子力災害対策特別措置法第15条通報
○原子力安全・保安院等の対応
【3月11日】
14:46 地震発生と同時に原子力安全・保安院に災害対策本部設置
15:42 福島第一原子力発電所1、2、3号機にて原子力災害対策特別措
置法第10条通報
16:36 福島第一原子力発電所1、2号機にて事業者が同法第15条事象
発生判断(16:45通報)
18:08 福島第二原子力発電所1号機にて原子力災害対策特別措置法
第10条通報
18:33 福島第二原子力発電所1、2、4号機にて原子力災害対策特別措
置法第10条通報
19:03 緊急事態宣言
20:50 福島県対策本部は、福島第一原子力発電所1号機の半径2kmの
住人に避難指示を出した。(2km以内の住人は1864人)
21:23 内閣総理大臣より、福島県知事、大熊町長及び双葉町長に対し、東京電力(株)福島第一原子力発電所で発生した事故に関し、原子力災害対策特別措置法第15条第3項の規定に基づく指示を出した。
・福島第一原子力発電所1号機から半径3km圏内の住民に対する避難指示。
・福島第一原子力発電所1号機から半径10km圏内の住民に対する屋内待避指示。
【3月12日】
5:44 総理指示により福島第一原子力発電所の10km圏内に避難指示
6:01 福島第二原子力発電所1、2、4号機にて原子力災害対策特別措
置法第15条通報
【長野県北部で発生した地震】
1.災害概要
(1)発生日時:平成23年3月12日(土) 3:59発生
(2)発生場所:長野県北部(北緯37度、東経138.6度)
深さ10km、マグニチュード6.6
(3)各地の震度
○震度5弱
新潟県柏崎市、新潟県刈羽村
2 発電所の運転状況【自動停止号機数:10基(3月12日3:30現在)】
○東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市)
(1)運転状況
1号機(110万kW)(運転継続中)
2号機(110万kW)(定検により停止中)
3号機(110万kW)(定検により停止中)
4号機(110万kW)(定検により停止中)
5号機(110万kW)(運転継続中)
6号機(135.6万kW)(運転継続中)
7号機(135.6万kW)(運転継続中)
(2)モニタリングポスト等の指示値
モニタリングポスト指示値の変化:無
主排気筒モニタ指示値の変化:無
(3)その他異常に関する報告
火災の報告等なし。
※被害のないことが確認された施設については、次回から削除することといたします。
正倉院
日記風に雑然と記録し、情報を貯めておく。
①(自民党時代からの)政府の方針
原発は現在、日本の電力の約3割を賄う「基幹電源」。
政府は昨年6月に策定したエネルギー基本計画で14機以上の原発の新増設を掲げ、
原発比率を4割程度に高める計画を示した。
これを受け、
現在17機の原発を保有する東電は,
福島第1原発での7、8号機増設などを含め、原発シフトを加速し、
原発比率を09年度の28%から、19年度には48%に高める方針だった。
②佐藤栄佐久知事の福島県の方針
佐藤栄佐久知事は、国の原子力政策と東電の隠蔽体質とに疑問を呈し、
保安院を経済産業省から独立させることを主張し、プルサーマル計画に反対するなど、
従来の保守政治家にはみられない信念のある行動をとった。
③たかり町長・たかり町民
原発依存市町村の行動様式として、双葉町の例が一番いいかと思う。
●朝日新聞(2008年9月17日)
「福島県双葉町で11日開かれた町議会で、井戸川克隆町長は今後の財政運
営に関する質問に涙ぐみながら答弁した。05年に就任したが、5期約20
年の前町長時代を含めて財政は悪化の一途。収入に対する借金返済の割合を
示す指標『実質公債費比率』は06年度に30%と、全国で9番目に悪い水
準になっている。」
●双葉町長の原発増設発言について
知事定例記者会見
【記者】
原発行政なんですが...、
プルサーマルに関しては知事はもうずっと、
「安全・安心が大前提で議論以前の問題だ」というふうにおっしゃってますけれども、
プルサーマルと同時に重要な問題として維持基準、
あと原発の増設という問題があると思うんですが、
先日双葉町議会でもですね、増設について話題になったようなんですけれども、
維持基準も含めて増設について知事のご見解をお聞かせいただければと思います。
【知事】
就任以来、改ざん・隠ぺいがあれだけ出てきて、
私は皆さんの前でも議会の中でも言っておりますけども、
まず安全・安心。さらにまた国に対しても国民の皆さんが納得のいくような、
保安院の形というのを求めていたわけです。
そういう中で、双葉町のああいう話があった。
まず、びっくりしました。
たぶん県民の皆さんも大変びっくりしたんじゃないかと思いますけども、
基本的に私自身は安全・安心。
きちんと地元の皆さんと県議会と、
さらにまた県民の皆さんが納得できるような形をあくまでも希求していかなければいけないと思っております。
●県議会の圧力と県政の転換
以下は、日頃の新聞やTVの報道の記憶から述べるので、誤った記述もあるかと思う。
善政を行い圧倒的な力を持っていた佐藤栄佐久知事が失脚すると、
地元県議が中心となり、県議会でプルサーマルの使用許可を決議してしまった。
ここにきて、佐藤栄佐久前知事の方針を堅持してきた佐藤雄平現知事も、
県議会の圧力に屈した形でプルサーマルの使用を許可してしまった。
原理原則を軽視しがちで自主性に欠ける日本人の思考傾向は、
『もたれあい』の政治を生み、
『たかり』の町政となり、
途中で転換できなくなってしまう。
第1原発の地元市町村は、これでも足りなくて、
さらに7、8号機増設の運動をしている。
ところで、わたしは一応は原発反対の立場に立ってきて、
署名運動などでは協力してきた。
生き方の基本姿勢として、
倹約した細々とした生活の中にもいくらでも喜びを見いだせると思っている。
そらから、これはまああまり考えてはこなかったが、
こんな危険なものを(危険なことはだれでも認めていた)一箇所に集中するのは、
技術者の常識から考えればありえないことだと思う。
それを、政府の高官も優秀な大学教授たちも気がつかないとはおかしなことだ。
しかし、これはいつものパターンで、
バブルのときにも誰一人警鐘を鳴らしてくれなかった。
人間にとっては、客観的になることは難しいようで、
優れた人々もこの点に関しては凡人になってしまうようだ。
まわりは、敵軍に追われるごとく脱出を急いでいる。
まあいいや、踏み止まって、行政の指示を待とう。
残念で、怒りを感ずるのは、これが天災ではなく完全な人災であることである。
朝日新聞(2008年9月17日)
<現場から/福島・双葉町>
◆◆細る原発マネー◆◆
財政難の地元 固定資産税も法人税も減少
「原発マネー」に恵まれた原子力発電所の立地市町村が、財政難に直面し始めている。発電所建設が頭打ちとなってから税収は減り続ける一方で、かつて建てた「ハコ物」などの維持費や借入金の負担が重くのしかかる。さらに、税収の源泉だった各地の電力会社が原油高などで歴史的な赤字に転落する見込みで、一層の税収減が自治体を襲う。 (田村隆、中川透)
ハコ物 維持重荷
「町民が一丸となって前向きな行動をとるしかない」
福島県双葉町で11日開かれた町議会で、井戸川克隆町長は今後の財政運営に関する質問に涙ぐみながら答弁した。05年に就任したが、5期約20年の前町長時代を含めて財政は悪化の一途。収入に対する借金返済の割合を示す指標「実質公債費率」は06年度に30%と、全国で9番目に悪い水準になっている。
東京・上野からJR常磐線の特急で約3時間。太平洋沿いの一帯は、通称「原発銀座」。双葉町など計4町に東京電力福島第一、第二原発の計10基の原子炉が並ぶ。70年代初めから順次運転を始め、電力会社が払う固定資産税や国の交付金など潤沢な原発マネーで、近隣自治体がうらやむ施設が次々と建った。
同町内の総合保健福祉施設「ヘルスケアーふたば」もその一つ。温浴プールや高齢者向けデイサービスセンターがあり、約16億円の地方債で99年に開業した。隣に温泉を掘って施設を造るなど、施設整備は90年代に次々と進んだ。
人口約7千人の町が事業実施で意識したのが、隣接する人口約1万1千人の大熊町だ。福島第一原発の敷地は町境に広がるが、固定資産税のかかる原子炉は双葉町2基に対し、大熊町4基。法人町民税の計算に使われる東京電力の事務所棟も大熊町側にあり、町税収入は2倍も違う。
しかし、「大熊より施設が少ないという住民の要望を受け、双葉にも造ろうとの雰囲気があった」と町の担当者は振り返る。一方の大熊町は「従来、過度な借金はせず、蓄えた資金で必要な事業に絞ってきた」。双葉町は地方債残高が大きく膨らみ、原発に過半を依存する自主財源の地方税収の比率は低下傾向をたどる=グラフ。
双葉町の財政には、施設の負担が重くのしかかる。
国からの交付金の約2割は施設維持費となり、税収の9割は借金返済や人件費に消える。このため、「第二の夕張」への転落を避けようと、町は管理職手当の1割削減や補助金の見直しなどに懸命だ。
さらに、温泉入浴料を昨春に300円から500円に上げ、最高1万5千円の敬老祝い金を7千円に減らすなど、影響は住民サービスに及ぶ。自らの給与も半減した井戸川町長は「大阪府の橋下徹知事の苦労は、身にしみてわかる」と財政難の悩みを語る。
0 件のコメント:
コメントを投稿